仏壇前の提灯

ペットの葬儀の歴史と背景


ペットの葬儀の歴史について考えてみましょう。ペットロスという言葉があるように、愛らしくかわいいペットは家族同然、もしくはそれ以上の存在になることも多いです。
ペットの存在はかなり大きく、亡くなった時の悲しみは計り知れず、近年ではペットロス休暇という休みが設定されている会社もあるくらいです。ペットは家族として同じ家で暮らし、同じ時間を共に過ごす大切な存在です。人間と違った種類の生き物とのコミュニケーションは心と心で行うことが多く悲しい時に無言で側にいてくれて、元気づけてくれたりもするのです。
ペットの葬儀の歴史はここ一世紀くらいの話になり、歴史的にはとても浅いものですが、その内容などは時代と共により印象深いものとなってきているように感じられます。



以前や時に現在でも、ペットのお葬式や供養など、昔からずっと個人でひっそりと行われてきました。保健所にお願いをするという方法もありますが、これではもっと悲しいので自宅の庭に墓を作る、ペットがお気に入りだった山や森の中にお墓を立ててあげるなど、家族や個人の考えに基づいて様々な方法で行われてきた背景があります。人間と違ってペットには法的な届け出も必要がありませんし、小動物や爬虫類、気ままに移動する猫などは誰にも知られずに飼っているということさえあるほどで、盛大な葬式はされないこともありますが、特に最近では色々と変化してきています。



一般的にペットの葬儀は火葬となります。料金はもちろん人間よりは安いですが、数万とかかることもあります。合同火葬では遺骨は頂けないようですが、遺骨をずっと近くに置いて供養する方法ももちろんあります。



戦前の日本国において、ペットとは人間の仕事を手伝うタイプの動物が多かったようです。畑仕事や牧場などですね。大事な労働力として弔ったり、愛犬や愛猫も個人的に弔うといった感じで行われていましたし、お寺などで供養するといったことも度々あったようですが、これは葬儀といった規模のものではなかったようです。



ペットの弔いの規模が大きく広がっていった切っ掛けを作ったのは、警察署や障害者のための機関などで働いていた動物たちのためのものです。騎馬警官の馬、盲導犬や警察犬はとても重要な仕事を担う存在ですから、亡くなった時には表彰されたり、少し大きめの弔いをしてその存在に敬意を払ったものでした



一番最初に本格的に行われたペット葬儀と言われているのが、宗教と関わった動物で、昭和の20年を過ぎたころ、関東にあるお寺の霊園で行われたものです。
その後に宗教とは関係のない人々も行うタイプの動物の共同墓地が建てられ、その10年後辺りでは、関東以外の関西地区でも同じような動物のための共同墓地が建てられました。
それからさらに10年が経ちますと、名古屋や北日本辺りにも広がっていきました。
動物のための共同墓地や葬儀のための会社が次々と立ち上がり、本格的な会社事業として広がっていったのです。
そして昭和後半から平成にかけてペットがブームになったのに先駆けて全国のあらゆるところでこのようなペット葬儀に関連した会社を見かけられるようになりました。今では全国で合計1000社を超える勢いになっているはずです。



花祭壇

しかしペットの葬儀が確立されてきたのはまだまだ新しい話で、その理由は大きく二つあります。



一つ目の理由として最近急激にペットの葬儀が増えてきましたのは、ペットの存在が以前よりも大きく、重要な存在となってきたという事実があります。子供がいない家庭、一人家庭も随分と増えましたが、ペットは人間一人を養うよりも費用がかからず、世話も人間よりもはるかに楽です。それに別の生き物と一緒に暮らすのは教育や学習的にも大変有意義なことでもありますから、その存在はますます重要視されてきています。

二つ目の理由は、世界ではますます人口が増えて、人間のスペースも少なくなってきているといったことです。一軒家が少なくなり、アパートやマンションなどといった多くの人口を受け入れられるタイプの住居が格段に増えました。人間が住むスペースは減る一方で、人間のお墓のための土地ももちろんそれに比例して少なくなってきています。このような現実からペットを土葬してあげたくても埋めてあげる庭が全くない、もしくは庭があっても水道管やその他の問題から十分にまで深く掘れず、ご近所に臭いなど振り撒いてしまうといった問題が起こるとも考えられるからです。山なども所有権などがあったりする場合もありますし、土葬するということ自体が中々難しくなってきているようです。そこでペットの葬儀として弔い火葬が増えてきていったという現実もあるのです。

これから将来、ペットの葬儀は更に増えていくことが予想されています。どんな形であれ、ペットを大切にしその思い出も大切にできるというのが大前提です。安全で、そして清潔なペットの葬儀や火葬はこれからも注目されていくでしょう。

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